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自作ゲームフェス2018

【自作ゲームフェス2018】座談会 優秀賞『ロンリィセカイ』

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笠井
今回話す作品は……優秀賞作品、『ロンリィセカイ』だね。これは力作だった!

Akemi
主人公が突然異世界に召喚され、異能力を与えられて推理バトルに挑む……というストーリーで、おまけ的に探索要素はありますが、基本はキャラクターの会話を読み進め、選択肢を選んで推理を行うゲームといってよいと思います。
笠井
自分で推理を行うことで、物語への没入感が一層高まっていく。そこにはノベルゲーム的な楽しみがあると思ったな。

編集部員紹介

editor_kasai
笠井。編集長。
自他ともに認める鍵っ子にして、ノベルゲームに魅せられた男。「ノベルスフィア」を切り盛りする運営力・技術力を併せ持ち、ノベルゲーム愛の心で編集部を取り仕切る。
editor_suzuki
suzuki。編集部員その1。
広く浅く変なものを探しており、現在はノベルゲームの持つ不思議な魅力に興味津々。「ノベルスフィア」ではスクリプトも担当し、構造的な方向からの評価を好む。
editor_akemi
Akemi。編集部員その2。
ノベルスフィア編集部の期待の新人。学生時代にノベルゲームを作っていたと主張している。元・制作者の視点で、作品の隠れた魅力をたくさん発見して紹介したいと思っている。

コミカルだが本格的な”討論ミステリー”

作品名:
ロンリィセカイ
PLAY:
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm5263
制作者:
momoyama(Twitter
suzuki
『ダンガンロンパを強く意識しているな』というのが第一印象でした。
Akemi
私は『あっ逆転裁判だ!』って声出しちゃいました! キャタツ!

suzuki
作品の紹介にもそのようなことをほのめかす一文がありますね。僕としてはダンガンロンパの方が記憶に新しかったのでそういった印象を抱いたんでしょうね。
Akemi
ファンなら反応しちゃいますよ〜。この時点で、『興味の持たせ方上手いな!』ってなりましたもん。

スキ!がクオリティを凌駕する

笠井
正直言って、ビジュアルはキャッチーとは言えない。けれど、それを補ってあまりあるほど、ゲームとしての作りが本当に丁寧なんだよね。

suzuki
シナリオもキャラクターの掛け合いも、とても質が高いな、と思いました。作者さんは普段『小説家になろう!』で推理モノを書かれている方みたいで、その経験が存分に生きていると思いました。
個人的に、シナリオの質以外にも、探索パートを活用することで難易度が下がったり、推理パートもガチガチに『間違えたらすぐゲームオーバー!』ではなく、適度なゆるさがあるのがゲームのデザインとして上手いなと感じました。

笠井
そうだね、プレイヤーを突き放さない、けれど、考えさせるところでは考えさせる。おもてなしが上手い作品だね。
Akemi
推理バトルも二転三転する手に汗握るものだったし、キャラクターの立て方が本当に上手い!
さっき笠井さんがおっしゃっていた通り、グラフィックはリッチではないんですけど、キャラクターに愛着が沸いてくると、それも味になってくるんです! むしろその方がよくなったりして。

笠井
それはわかるな。
Akemi
Akemiはこれを“スキがクオリティを凌駕する”と呼んでいます!
suzuki
クリエイターとしては、プレイヤーをその状態にさせたらもう“勝ち”みたいなものですよね。
Akemi
私もう負けましたね! 引っ張り方が上手いんです。海外ドラマのシーズン終わりみたいで。第2話も制作予定とのことなんですけど、今からめちゃくちゃ待ち遠しいですもん!
suzuki
読み物的な楽しさはもちろん、総合的なエンタメ性が、抜きん出て高い作品だと思います。
笠井
第2話が今から待ち遠しい!
Akemi
受賞おめでとうございます!