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自作ゲームフェス2018

【自作ゲームフェス2018】座談会 佳作編その1『マリー僕はキミを』


笠井
さて、それじゃあ始めようか。ニコニコ自作ゲームフェス2018座談会!
suzuki
残念なことに、今年は数が少なくなってしまいましたが、逆に言うと、その分じっくりと見ることができた部分はありますね。
Akemi
数が多いと、どうしても一つ一つの印象は薄れていってしまいますからね……ちゃんと見ますけど!

編集部員紹介

editor_kasai
笠井。編集長。
自他ともに認める鍵っ子にして、ノベルゲームに魅せられた男。「ノベルスフィア」を切り盛りする運営力・技術力を併せ持ち、ノベルゲーム愛の心で編集部を取り仕切る。
editor_suzuki
suzuki。編集部員その1。
広く浅く変なものを探しており、現在はノベルゲームの持つ不思議な魅力に興味津々。「ノベルスフィア」ではスクリプトも担当し、構造的な方向からの評価を好む。
editor_akemi
Akemi。編集部員その2。
ノベルスフィア編集部の期待の新人。学生時代にノベルゲームを作っていたと主張している。元・制作者の視点で、作品の隠れた魅力をたくさん発見して紹介したいと思っている。

“ハートフル”な育成ゲーム?

作品名:
マリー僕はキミを
PLAY:
https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm3705
制作者:
spc(Twitter
笠井
最初は佳作受賞の『マリー僕はキミを』だね。

Akemi
はい! こちらはお手伝いロボットのマリーちゃんのご主人様として、楽しくコミュニケーションを取りつつ、あなた好みに育成していく育成ゲームです!
お金を稼いでプレゼントしたり、告白もできちゃったりする、ハートフルなゲームでしたね〜!
suzuki
Akemiさん、嘘はダメです。いや嘘は言ってないのか……?
毎日二回のマリーとのやりとりでマリーの性格が変化していくのですが、(スクリーンショットを見ながら)うん……ハートフルではないな……。

Akemi
どっちかっていうとHurtfulですね! 暴力描写もありますし。
育成をしてるつもりが、いつの間にか狂気に包まれてて楽しかった……!
suzuki
静かに変調をきたしていく――その不穏な空気感はとてもノベルゲーム的ですね。型やテンポが決まっているから、パッと見は平穏な印象を受ける。けどよくよく整理するとおかしな状況になっていることが分かってくる。この辺りの“読解の時間差”が、独特な狂気を演出しています。

笠井
その雰囲気が決め手になって、ノベルゲームとはやや距離のある作品ではあるけれど、賞に選出させて頂きました。

コメントと一緒にプレイする楽しさがあった

Akemi
狂気じみた演出が使われてるゲームってたくさんあると思うんですけど、今作はドット絵の方は一切いじらないで、きれいなまま進むんですよね。
立ち絵は盛大に狂っていくんですけど。
笠井
あれはびびるね(笑)
suzuki
メインビジュアルを見て『切ない感じの純愛ものなのかな?』と思って始めたらアレですからね(笑)
Akemi
ですね! でも、そういうところが『上品だなー好きだなー』ってすごく気に入っちゃったんです。
suzuki
ヒロインである、ロボットの『マリー』のイラストはかわいいですよね。スチル(一枚絵)も豊富で、スチル見たさに色んな選択肢を試してみたくなります。

笠井
その楽しさは、ギャラリーモードがあったら埋めたくなる感覚に近いかも。
Akemi
マリーちゃん、アヘ顔(失礼)もかわいいですからね〜! 他のプレイヤーさんのドン引きコメントがどわっと流れてくるのも楽しい!
suzuki
本作のプラットフォームである『RPGアツマール』の良さをよく引き出していると感じました。
ゲーム性そのものは淡々としているので、コメントの比重が高かったように感じます。
Akemi
みんなで試行錯誤してる感があって楽しかった〜!

ゲーム性は少し単純?

笠井
いまゲーム性の話が出たけど、ゲームの部分は少し単調に感じてしまったな。
選択肢を選ぶ単調さと、玄関と自室を往復する単調さ、片方なら気にならなかったかもしれないけど……
suzuki
外の世界と隔絶された部屋の中で静かな狂気に呑まれていく感じはとてもよいのですが、選択肢でトライアンドエラーを繰り返すことになります。ベッドと玄関のシャトルランは、作品同様こっちも頭がおかしくなりそうでしたね(笑)

Akemi
こっちがアヘ顔になっちゃいますね! 確かに、そのあたりはオートにするとか省略するとかできたら丁寧だったかも……
笠井
そうだね、僕はスマホでプレイしたんだけど、スマホだと結構きつかったね。
suzuki
公開から何度かアップデートがされて、エンディングが追加されたりしています。そういうメンテナンスは本当に素晴らしいと思いますが、どうしても「じゃあもう一回やるか!」となりにくいのは残念なところだと思いました。
Akemi
私は単純に嬉しいけど、そういう考え方もあるかー。
笠井
そうしたゲーム的な難点がありつつも、それを補ってありあまる独特の魅力を持った素晴らしい作品だったね。
suzuki
受賞おめでとうございました!